お知らせ
2020/02/16
カジメがない!
主餌のカジメがないせいなのか?
死んだサザエの殻が打ち上げられていた。(2020.1.11 長者が崎)
カジメがない!
ここ数年の間にカジメが少なくなって、昨年(2019年)はほとんど無くなってしまった。カジメは水質浄化をしたり、サザエやアワビなどの重要な餌となっています。これは大変、今後どうなるのだろう?と心配になり少し調べてみました。
カジメの生育温度の上限は28℃~29℃のようで30℃になると枯死するようです。生育に最適な温度は20℃前後のようです。繁殖は夏から秋にかけ成体(胞子体)から遊走子が放出され岩礁に付着し幼胞子体になり、そこで生育します。寿命は3~4年とのこと。※1
ところが、昨年8月中の相模湾(葉山)沿岸の海水温(※2)は28℃が10日もありました。おまけに数少ない成体から遊走子が放出されたであろう時期に台風(高波と強風)にみまわれ、幼胞子体にもなっていないと思われます。もう下のような写真を撮ることは期待できなくなりそうです。
神奈川県水産技術センターコラム26号 2019年4月5日号に掲載されていた写真を転用しています
(残念ながらここ数年は磯焼け状態でこのようなカジメ林はほとんどありません)
参考にした資料
※1 「褐藻カジメ属(中略)の高温耐性」平成25年3月 三重大学 鈴木裕也
※2 関東・東海海況速報 2019年8月